ロベルタインタビュー5
■アドリア海に浮かぶ水の都「ヴェネツィア」
アドリア海沿いに浮かぶ、美しい街ヴェネツィア。
小さな島々を400もの橋でつなぐ、まさに幻想的な水の都です。共和国時代の繁栄を感じる中世的な町並みと、ヴェネツィアングラスに代表される細やかな芸術の息づく街。
この街の裕福な家庭でジュリアーナは育ちました。窓を開ければどこからでも海が見えるこの街で、ジュリアーナは海を眺めるのが大好きだったそう。
「水面にさす光を見つめていると、水の動きに反射して様々な色が現れては消えていく。その瞬間は驚きと感動に満ち溢れていると思うの。」今も自家用のボートでヴェネツィアと対岸にあるクロアチアの別荘を往復してすごしたりしており、海辺にいるとインスピレーションが沸くことが多いといいます。
■最後に
今回のロングインタビューは、ジュリアーナがエルトゥークでのロベルタ取り扱い開始を祝って快諾していただき、特別に実現したもの。
「ヴァーチャルはブランドの世界観を伝えるのに面白いツールだと思う。エルトゥークのサイト上でロベルタを見ることができるようになるのを楽しみにしているわ。」
普通にパソコンでメールもする彼女はインターネットの可能性についても積極的なコメントを下さいました。
■あとがき
「私がデザインしたことが無いのは飛行機くらいかしら?」と冗談を言うほど、精力的にクリエーションを発表してきたジュリアーナ。現役を退いた後は、スーパーバイザーとして後任のデザイナーを見守ってきました。
“私にとって創造は、人生そして全ての美しいものに対する愛の表現” と語る彼女。何か質問するたびにチャーミングな笑顔で答えてくれた姿が印象的でした。創作への情熱が枯れることを知らないのは、作品を生み出す目線が愛情にあふれているからかもしれません。話を聞かせてくれた応接間も棚は孫やひ孫たちの写真がいっぱい。愛犬のダックスフンドも人懐っこくて、インタビュー中足元をちょろちょろしていたのでした。
・・・・・
追悼、そして続いていく新たな限定作品の世界。
このインタビューからわずか3ヶ月後の2010年5月、ジュリアーナ女史は惜しまれながらこの世を去ることとなりました。
突然の訃報に驚くばかりでにわかには信じられませんでしたが、彼女自身がエルトゥークをご覧の皆様へ向けて語ってくれたロベルタ誕生にまつわる数々の逸話、そして全ての美しいものへの愛情あふれる想いをこうしてお届け出来たことを、今改めて幸せに思います。エルトゥークではこの度のインタビューでより深く知ることが出来たジュリアーナ女史の想いを活かし、今後ロベルタ
ディ カメリーノのエルトゥーク限定アイテムを企画・製作して参ります。
ロベルタのブランド名の由来
ロベルタの名前の由来は、ジュリアーナが大好きなミュージカル映画「ロバータ」からとったもの。イタリア語読みのロベルタに直し、自分のファミリーネームの「カメリーノ」を付けて、ロベルタ ディ カメリーノと付けたとのこと。「ロバータ」のテーマ曲の「煙が目にしみる」は、彼女が社交界デビューして舞踏会で初めて踊った思い出の曲。自分のブランドを持つようになったら必ずこの「ロベルタ」の名前をつけようと決めていたといいます。
<ジュリアーナ・カメリーノ女史略歴>
1921年 ヴェネツィア生まれ。1945年ロベルタ社創業。56年、ファッション界のオスカーともいわれるニーマンマーカス賞をイタリア人で初めて受賞。1969年には国際的な活躍が認められ、イタリア政府から叙勲。1976年インターナショナル・マスター・オブ・ファッションアワードを受賞。08年、ロベルタディカメリーノのスーパーバイザーに就任。2010年5月、ヴェネツィアにて逝去。享年89歳
ロベルタ ブランドページへ戻る>>